幸せのカタチ〜Fleeting memories〜

そして次の日、塾にはいつものように自転車で行き、また部活もあったので、またしても俺は遅刻をした。

「遅くなってすみませーん!!」

俺はいつものようにドアを開け、教室に入った。

奥野さんはいつもの席にいた。

俺はいつも通り、後ろの席に座り、授業を受けた。

昨日の段階では塾で奥野さんに話しかけるということを今日のミッションに掲げていたのだか、いざ教室に入ってみると思っていたよりも席が遠いことに気づいた。

『これってどのタイミングで話しかけるのがベストなんだ?』

席が離れていて、休み時間にわざわざ近づいて話をしに行くなんてどう見ても違和感がある。
俺は普段休み時間は自分の席で周りの人と少し話したりするぐらいで、基本的には帰るまで動かないスタンスだった。

一方の奥野さんも基本的には帰るまで席を動かない。

結局いつものように奥野さんと話をすることなく塾での一日は終わってしまった。
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