幸せのカタチ〜Fleeting memories〜
「はい!じゃあみんなそろそろできたかな?答え合わせしましょう!じゃあ最初の問題の答えは…一番最後に来た佐藤くん!どうかな?」
といきなり当てられてしまった。
「えっとー(x+2)(x+3)です。」
「正解。そうですね。解説は後からするので、じゃあ次の問題を佐藤くんの前の席にいる…」
俺を始めとしてそこから順番に当てられていく。
『よかったー。最後の問題難しすぎてまだできてなかったんだよなー。』
問題が進むにつれ難易度が上がっていったので、俺は一番簡単な問題を答えることができてホッとしていた。
最後の問題はやはり難しいみたいで2人くらい当てられていたがどちらも「わかりません」と答えていた。
「奥野さんはどうですか?」
先生が一番前に座る女の子の方を見て言った。
「……」
やはりわからないようで首を傾げている。
「ちょっと難しかったかな?では最初の問題に戻って解説をしていくので、この問題は最後にみんなでやってみましょうか!」
先生が解説を始めた。
『あれ?さっき一番前の人のこと[奥野さん]って呼ばなかったか?もしかしてあの[奥野さん]?んー、そんなまさかね』
一瞬俺は過去に会ったことのある奥野さんのことを想像したが、他人の空似だと思ったが、俺はまだこの時気付くことができなかった。