GATHER!!
真剣な署長とは正反対に、署長と向き合った彼は明らかに落胆していた。


「…また、面倒な……」

「なにか言ったかね、ウィルソン刑事」

「…いいえ、署長」

「顔が何か言いたげなのだが」

「幻覚ですよ。きっと署長の目が腐っているからでしょう」

「なら君の脳味噌はひどいだろうな。腐ってドロドロだ」

「署長。喧嘩を、売っていますか?」

「いいや、ただ不真面目な部下に心の中で溜息をついているだけだ」

「失礼な。俺は真面目に仕事をして…」

「ならさっさと取り掛かりたまえ。説明はさっきの通りだ。資料はすでに君の机の上に置いてある」


この署長と刑事の滑稽なやり取りは、もはや日常茶飯事となっていた。しかし、事件が事件である。署長の機嫌は悪くなる一方だった。
だが、この男はまだいつもの調子でぼやいている。


「はぁ…毎回毎回、どうして俺には面倒な仕事しか回ってこないんだ…」

「まったく、私だって君みたいな堕落した人間に仕事を回したくないんだよ。だが、君は事件を解決するということに関しては優秀なのでね。捜査本部からの要請もあるから仕方なくだな…」

「二日酔いだというのに、ああ、面倒だ…」

「聞いているのかね!?」

「…ああ、ついてない…」

「……ッ!!」


署長の勘忍袋の緒が切れた。


「早く行きたまえ!!」
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