【完】溺愛フラグが立ちました。
その通りだ。楽しくプレイしていればいいだけ。
「そう……ですよね。おかしな話をして、すみません」
「いえいえ。とても満足していただけていることが伝わってきて、私としましても嬉しいですよ」
(え……?)
「儲けは必要です。開発費もバカになりませんし、広告宣伝費等きりがない。なにより従業員の生活がかかっていますからね。だけど思うんです。できるものなら、手にとっていただいたすべてのプレイヤーに笑顔になってもらいたいなと。そんなことは不可能だとわかっていながらも挑戦したい」
「あの……」
話が見えないのですが。
「申し遅れました。私、こういうものです」
差し出された名刺を受け取った、そのとき。
「ねえ」
「止まってない?」
「なにこれ」
突然、車内が騒々しくなる。
窓の外に目を向けると、緑の多い土地が目に入ってくる。
(……え、あれ、停車してる?)