【完】溺愛フラグが立ちました。
停電により新幹線が停止したと係の人から口頭で説明があったとき、車内は薄暗く、乗客の不安を一層煽っていた。
「お客様。座席から離れないでください」
車内販売員の案内に、
「こっちは急いでるんだ。困るよ!」
「いつ運転は再開しますか?」
我慢できず苦言を吐く人々。
「大丈夫だからね」
「怖いよママ」
泣き出す子供。
この新幹線は明るい街中を通っているわけでもなければ今は真冬。
暖房も切れてしまい、肌寒くなってくるのも時間の問題だ。