【完】溺愛フラグが立ちました。
「知冬さんは、どちらまで?」
「終点です」
「おんなじですね。お仕事かなにかですか?」
「いえ、実家がそっちで」
「そうでしたか。それにしては、なまっていないですねぇ」
私は関西人の割に、あまりそうみられない。
「大学から東京なんですけど、友人がみんな標準語なのもあって。いつの間にかうつっちゃいました」
「それまでは関西弁を使われていたんですよね?」
「え?……まぁ」
この人、凄く話しやすいなぁ。
トノセさんが声をかけてくれなかったら、そろそろ一人で不安になり始めていたかも……。
最初はいきなりイヤホン奪ってきてなんて人だと驚いたけど、話してみるとカッコ良さと可愛さ、そして大人の色気を兼ね備えた人だとわかる。
イケメンはそれだけで正義だな……?
「ふとした拍子に地元言葉が出たときなんかは『エセっぽいね』なんて笑われます。生粋の関西人なのに」