【完】溺愛フラグが立ちました。


 下手なことをいって会話を盛り下げたらどうしよう。

 少しでも好感持ってもらえるような選択を、どこかで探してしまっている自分がいた。

 もちろん、そんな器用なことはできそうにないが。


 話しているのは概ね私自身についてで、彼は聞き役に徹している。

 ところどころ自分の話も混ぜてくれるが、やっぱりどこかミステリアスに感じる。


「この、いつ動き出すかわかりもしない金属の箱の中で。もう少しばかり私の与太話に付き合ってはくれませんか?」


 話し方が好き。声も、好き。

 問いかけるとき少し頭をるクセも、好きだなぁ。(今はハッキリ見えてないけれども)


 彼に、どんどん呑みまれていくような感覚に陥る……。




< 24 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop