【完】溺愛フラグが立ちました。


(えっ……えぇええ!?)


「な、なに、言ってるんですか」

「恥ずかしがることないですよ。どうせ誰からも見えません。みんな、自分たちのことでいっぱいいっぱいでしょうし」

「そういう問題じゃ……」


 私たちは、出逢って間もない男女です。

 二つ返事で『わかりました』と言えるわけないでしょ?


「私のそばにくるのは嫌ですか?」


 そんな台詞、寂しげに言わないでくれませんか……!!


 私が間違っているような、トノセさんを傷つけてしまったような、そんな罪悪感に苛まれてしまうのはなぜ!?


 ナチュラルにそうなのか。それとも計算なのか。

 トノセさん……って、本当にナニモノ?


「トノセさんが嫌かどうかなんてことは関係なくってですね」

「あったかいですよ。くっつけば」

「っ、」


 トノセさんって、天然タラシさんなの……!?

 その言葉に私がどれほど戸惑っているか気づいてください。

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