【完】溺愛フラグが立ちました。
それからしばらくトノセさんと乙女ゲームの話で盛り上がった。
トノセさんから乙女ゲームをするって聞いたときは半信半疑だったけど、やり込んでいるというのが話しているうちによくわかる。
女友達にだって相手を選ぶ話だから、こんなに波長が合うのも嬉しい。
……いや、合わせてくれているのかな?
トノセさんは、話し相手を楽しい気持ちにさせる天才なんじゃないかと思えてきた。
「トノセさんは推しっていますか……?」
「私は、特に誰というキャラはいません」
穏やかに話すトノセさんの口調は、子守唄レベルに眠気を誘ってくる。
「みんな、私の子供のようなものです」
(子供……?)
トノセさん、おいくつなんだろう。仮に結婚していた場合そんな大きなお子さんがいるようにはとても見えない。
「……寝てもいいですよ?」
「え?」
「疲れているんじゃないですか?」
睡魔と戦っているのがバレてしまった。