【完】溺愛フラグが立ちました。
こんなとき、乙女ゲームで学んだ知識が……
クソほど役に立たないどうしよう。
そろそろ動きませんかね新幹線!?
「あがったんじゃないですか?」
「あがったって……なにがですか……?」
「体温」
「は」
「あがりましたよね」
「っ、」
「もっとあげても?」
「……!!?」
ここは、イケメンビジネスマン付き
乙女ゲーム脳女子専用車両ですか?
オート再生でハッピーエンドまで導いてくれる気ですか。
「もしかして知冬さんって」
「はいっ!?」
やば、声、裏返った……。
「現実世界ではまだ恋を知らない……とか?」
なぜバレたし!?
「も、もしそうだったら……引きますか?」
考えるまでもないか。
こんなに芋っぽいオーラが出ていれば、バレますよね。
「いいえ。全然。むしろ……ねぇ?」
『ねぇ?』ってなんですかねえって!??
「現在お付き合いをされている人は、いないんですか?」
「いませんいません! 恋人なんて、一度もいた試しがないです」
……三次元には。
ニ次元には、たくさんいます。