【完】溺愛フラグが立ちました。


 こんなとき、乙女ゲームで学んだ知識が……

 クソほど役に立たないどうしよう。


 そろそろ動きませんかね新幹線!?


「あがったんじゃないですか?」

「あがったって……なにがですか……?」

「体温」

「は」

「あがりましたよね」

「っ、」

「もっとあげても?」

「……!!?」


 ここは、イケメンビジネスマン付き
 乙女ゲーム脳女子専用車両ですか?


 オート再生でハッピーエンドまで導いてくれる気ですか。


「もしかして知冬さんって」

「はいっ!?」


 やば、声、裏返った……。


「現実世界ではまだ恋を知らない……とか?」


 なぜバレたし!?


「も、もしそうだったら……引きますか?」


 考えるまでもないか。

 こんなに芋っぽいオーラが出ていれば、バレますよね。


「いいえ。全然。むしろ……ねぇ?」


 『ねぇ?』ってなんですかねえって!??


「現在お付き合いをされている人は、いないんですか?」

「いませんいません! 恋人なんて、一度もいた試しがないです」


 ……三次元には。

 ニ次元には、たくさんいます。

< 42 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop