【完】溺愛フラグが立ちました。



「興味ないんですか。生身の男には」


 ナマミ!!?


「そ、そんなことは……ないですが。ゲームの中で満足しているといいますか」


 この年までデートの1回もしたことない私だ。

 きっと高校生……いや、下手すりゃ中学生の方が私よりリアルな恋愛に詳しいだろう。


「私の青春は、二次元の思い出でいっぱいです。初恋だって……」


 ってなにを言ってるんだ私は。

 危うく画面の中のキャラクターに初恋をした話を長々としてしまうところだった。


「素敵だと思いますよ」


 トノセさんのそういうところ大好きすぎます。

 引かれそうな趣味を受け入れてくれるなんて……寛大というか。許容範囲が広いというか。


「ですが、ゲームはゲーム」


――?


「現実は現実で、それぞれに恋すればいいんじゃないですか?」


 いやいや。そんな器用な女に見えますか。


「簡単にできないですよ」

「どうして」

< 43 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop