【完】溺愛フラグが立ちました。
“一度は憧れているかも”ってことは、定番の職業なのかな。
だとしたら――。
「お花屋さん……か。ケーキ屋さんですか?」
幼稚園児の頃って、そういう夢をもつ子が多かった気がするから。
「なりたいですか?」
「や、そんなことはないです」
花もケーキも好きだけど、就職先に選ぶほど特別こだわりがあるわけではない。
もちろん紹介していただけるのなら有り難いし、断る理由もない。
「そうですか。もしもなりたいのなら、私が叶えてあげますよ」
そんなこと簡単に言えるのがやはり只者じゃないのですが……!?
「職業なんていうから難しいのでしょうか」
「?」
「知冬さんは“それ”に『夢』や『憧れ』を抱いたことが、あるんじゃないでしょうか」
ヒントをくれているのに全然話がみえない。
「ただし、その『対象』は、画面の中のキャラクターなのかもしれませんねぇ」