【完】溺愛フラグが立ちました。
「さぁ」
肝心なところを言ってくれないんですね……?
さっきの『出逢いならここにある』発言といい、手を握りしめてきているのだってそう。
勘違いしてしまいそうになる。もしかしたら私のことをいいなって思ってくれていたりするのかなって。
免疫なさすぎて全部鵜呑みにしていいものか流すべきなのか、わからない。ドラマの中の世界みたいだ。
「トノセさん」
「はい」
「実は私、寒さと暗さが……苦手でして」
「そうなんですか」
「だから、この状況に一人だと不安で仕方なかっただろうなって」
トノセさんがいてくれて。出逢えたのがトノセさんで本当によかったと、そう思い始めている。
「お役に立てたならよかったです」