【完】溺愛フラグが立ちました。


 到着までの二時間半ほど、私は始終スマホのゲームアプリをする気満々でいた。

 当然車内は音なんて出せないからイヤホンをして。


 そのゲームというのが、俗に言う『乙女ゲーム』というやつで。

 主人公がシナリオに沿ってイケメンたちを攻略していく恋愛シュミレーションゲームであるのだが。


 ゲームの世界――即ち、ニ次元のイケメンのいる世界に浸っていた……そのとき。



 『それ、面白いですか?』



 あろうことか、私を三次元に連れ戻す人物が現れた。

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