【完】溺愛フラグが立ちました。
度肝を抜かれ、呆然としている私にトノセさんはトドメをさした。
「これからは、私が貴女の夢を叶えるサポートを全力でして差しあげます」
社長さんが全力でサポートを?
「……っ、それは、コネ的ななにかですか」
イケナイ香りがぷんぷんしていますね!?
選考のときに推薦してくれたりとかそういう話ですか?
「まさか。あくまで、個人的なサポートです。実力と運がなければ叶えられはしないでしょう」
「と、いいますと?」
「これといったことはしませんよ。ただ、貴女が必要なものはなんだって揃えてあげます。お絵描き道具でも、作業環境でも」
なんですかそのVIP待遇は……?
まさか液晶タブレットくださいってねだったら買ってくれるんですか。静かな作業部屋が欲しいといえば用意してくれるんですか?
「必要なときに。必要なものを。必要なだけあげましょう」
困ったときの、ドラ◯もんですか!?
「それから」
「ま、まだ、あるんですか?」
既についていけていません。
「これが今の知冬さんには一番大切なんじゃないかって思うのですが」
「……??」
「貴女のその、下がりきったモチベーション。私が上げてみせます」
「え……」
「だからまずは私に、絵を描いて欲しいんです」