【完】溺愛フラグが立ちました。
「色んな資格を取りました。法律の勉強もしました。特定の書類を作るのに何万円もかかるなら、自分で作ってしまえばいいという考えで作ってみたり。どんなことをするにもお金は発生するので。小さなことですが、色んなことを自らこなしてきました」
「限界って思わないんですか?……体力的にも」
それから、精神的にも。
「余裕です。……と、言いたいところですが。やることが大きくなってくるたびに限界は近づいてきましたね。だから今はそれぞれにお願いしています」
そりゃそうだ。何年も、一人で仕事を多く抱え続けるなんて無謀すぎるよ。
「最初は人を使うのだって下手くそでした。若いというだけで舐められました。今でもひと回り以上年上の人と仕事をすると若僧扱いされちゃいます」
仕事中のトノセさんって、電話していたときみたいになるんだよね。今みたいに温厚ではないのかな。
「今日、知冬さんをひとめ見て。かわいらしいお嬢さんだなぁと心から思いました」
「……!!」