【完】溺愛フラグが立ちました。
『それは大変だったね。でも、知冬が無事でよかったよ』
大学時代の友人であり親友の藤阪絢(ふじさか あや)が、電話の向こうでホッとした様子で呟く。
彼女には私の帰省日時をおおまかに伝えていたので、ニュースを見て『もしかしたら知冬が乗っているかも』と心配になって連絡をくれていた。
スマホには、絢と、それから母からも連絡がきていた。
今回の件で周りに心配をかけてしまったけれど、そうやって気にしてくれる人がいるのって本当に幸せなことだ。