【完】溺愛フラグが立ちました。



 電話を終えた途端、背後から伸びてきた腕に電話を奪われ遠くへポンと放り投げられてしまう。


「ああっ……!」


 幸い落下したのは柔らかいソファの上。いや、完全にそこを狙ったのだろうけれども。

 投げるのは酷くないですか。


「終わったんでしょ? 電話」

「……はい」


 あんなに甘いマスクだったトノセさんは


「ならもう必要ないよね。心配してる人とはきちんと連絡がとれたわけだし」


 そのマスクを剥ぐと、


「俺そろそろ出るけど。ここで待っててくれるよね」

「は、はい」

「一緒に東京、戻るよね?」

「……はいっ」

「嬉しい。大好き、知冬」


――悪魔みたいに、なってしまう。


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