【完】溺愛フラグが立ちました。



 紳士なんてとんでもない。

 トノセさんは、猫をかぶっている。


 冗談いって私を一喜一憂させてくるし。


 昨夜なんて……。

 私を、寝かせてはくれなかったんだ。

 
「信じたの?」

「……ちょっと」

「バカだね」

「トノセさんって、やっぱりイジワルですよね」

「数秒先に知冬の困った顔や驚いた顔を見られると思ったら、つい、意地悪なルートを辿りたくなる。これって愛じゃない?」


 なに乙女ゲームみたいに言ってるんですか!?


「だけどね、知冬。俺はハッピーエンド至上主義なんだ」


(……?)


「知冬には幸せになって欲しい」

「えっ……と」

「俺が、知冬を幸せにしたい」


 まっすぐに、目を見つめられる。


「だから、もう俺だけ見て?」


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