嘘つきなキミの甘い罠
「よくこんな話信じられるね、日本の宝だよ長谷さんは」
「え? えへへ……そ、そうかなー」
でも、そう言って少し楽しそうに笑う顔が好きだ。
だから、怒れない。
あたしって、単純だからさ。
でもやっぱり嘘は良くないと思う……。
「てゆーか、また騙された……」
「喜んだりヘコんだり、大変だね」
一体誰のせいだと思って!
ついつい、そう言ってしまいそうになるけど。
パッと目が合った瞬間、いつものゆるーい笑顔に喉まで出かかった言葉が引っ込む。
「いいと思うよ、あんたのそーゆーとこ」
「え」
「オレは結構好き」