貝に住んだ猫
お引越しが終わった夜。
外は風が吹き荒れて、お月様も寒そうでした。


ネモは暖炉の前であたたかいミルクを飲みながら、耳をピクピク動かしました。


ごぉぉぉぉぉ。
ごぉぉぉぉぉ。


かすかに低く鳴っています。


「これが海の声かぁ」


ネモは満足そうにしっぽをピンと立てました。
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