土方歳三の熱情
「そうは言ってもおまえは土方さんの使い走りみたいなもんだろう? オレと篠田の足手まといにしかならんのでは集団戦法もクソもないだろうが」

島田さんは集団で戦うのがよほど嫌いと見えて
普段の温厚な人柄とはうってかわって不機嫌になっている。

それにたしかに木村さんは商家の丁稚みたいな腰の低さでとても強そうには見えない。

年は私より少し上といったところだろうか、
いかにも気がききそうでいい人そうだけれど一緒に戦うのに適しているとは思えない。

「私は道場に通ったことはありませんが土方さんの練習相手を務めさせていただいておりますので、受けには自信があります」

「受けだと? 受けにだけ自信があるのか?」

「はい、土方さんが打ち込みの修練をされる際に受けるのが私の役目ですので、自然と受けが上達しました」

「土方さんの打ち込みを受けれるのか……」
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