土方歳三の熱情
土方さんは私を疑っているかもしれない。

土方さんは誰よりも目ざとく、
私が女だと気づく可能性が最も高い。

土方さんは新撰組の荒くれ者達から
鬼の副長と怖れられている。

何をどう考えても、
土方さんは好きになる相手として問題がある。

私が最も恋してはいけない相手こそ土方さんだ。

でももう遅い、
私はすでに土方さんを好きになってしまっている。

その事実は変えられそうにない。

だけど土方さんと私の幸せな結末を思い描くことはできない。

むしろ血なまぐさい結末を思い描かずにはいられない。

どうして私は、
どう考えても好きになっちゃいけない人を好きになってしまったのだろう。
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