土方歳三の熱情
武田さんというと五番隊隊長の武田観柳斎のことだろう。
体は小さいが剣の腕は立つと噂にきいたことがある。
「入隊の時の立ち合いを見させてもらったよ。
なかなかの腕前だった」
「ありがとうございます」
「ところで君は剣術だけかね?
体術の方もやるのかね?」
「いえ、心得があるのは剣術だけです」
「細っこい体つきだから体術の心得はなさそうだと思ったが、
やっぱりそうか。いかんなぁ」
「はぁ」
「新撰組の隊士たるものいついかなる状況でも市中の輩におくれを取ってはならん。
素手でも戦える用意がなくてはならんぞ」
「はぁ」
「まぁ、これも何かの縁だ。
私が体術の師匠になってやろう。
週に二回か三回みっちり鍛えてやるから、私の部屋に来なさい」
「いえ、幹部の方のお手をわずらわすわけには」
体術の修練を積もうとすれば当然体に触れられるし締め技や関節技を習うためには体を密着させなくてはいけない。
そんなことをしたらすぐに女だとバレてしまう。
体は小さいが剣の腕は立つと噂にきいたことがある。
「入隊の時の立ち合いを見させてもらったよ。
なかなかの腕前だった」
「ありがとうございます」
「ところで君は剣術だけかね?
体術の方もやるのかね?」
「いえ、心得があるのは剣術だけです」
「細っこい体つきだから体術の心得はなさそうだと思ったが、
やっぱりそうか。いかんなぁ」
「はぁ」
「新撰組の隊士たるものいついかなる状況でも市中の輩におくれを取ってはならん。
素手でも戦える用意がなくてはならんぞ」
「はぁ」
「まぁ、これも何かの縁だ。
私が体術の師匠になってやろう。
週に二回か三回みっちり鍛えてやるから、私の部屋に来なさい」
「いえ、幹部の方のお手をわずらわすわけには」
体術の修練を積もうとすれば当然体に触れられるし締め技や関節技を習うためには体を密着させなくてはいけない。
そんなことをしたらすぐに女だとバレてしまう。