土方歳三の熱情
「男色!?」

「そうだ。違うのか?」

「そんな経験はありません。
その気があるのかどうかも自分では分かりませんが……
ということは武田さんは……」

「あいつはゴリゴリのゲイだ」

「体術の修練っていうのは……」

「そういう名目で好みの隊士を自分の部屋に引っ張り込むのがあいつの手口だ」

「……多いんですか?」

「多い?」

「男色の気のある人、新撰組には多いんですか?」

「ああ、結構多いよ。
新撰組では男色は禁止されていないから」

男色の気のある人に体を触られると女だとバレてしまう。

これから先のことを考えると篠田には男色の気があるなんていう噂が流れているのはとても危険な状況だ。

「てっきり篠田には男色の気があると思っていたけど、
武田のことを嫌がっているみたいだったしオレもあいつは嫌いだから、
こうなったのもオレが話したことが発端になっているわけだしなんとかして止めなくちゃと思って土方さんを呼んで来たんだ。
篠田に男色の経験がまだないなら、なおさら止めてよかったよ」
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