土方歳三の熱情
「オレはとっくにおまえが女だってことを知ってるって意味だ」

「えっ!?」

まったく想定していなかった回答に、
私は何をどう考えたら良いのか分からなくなってしまう。

鎌をかけられているのか、
本当にバレているのか。

しらを切るべきか、
いちかばちか斬りかかるべきか、
あるいは無言で土方さんの出方を待つべきか。

「おまえ今、一瞬だけ殺気を放ったな」

土方さんは楽しそうに笑う。

「まぁ聞け。
まったく、隙がないのかボンヤリしてるのか、不思議な女だなおまえは」

「……」

「島田のおしるこの時、
おまえ虫に驚いて木村の足を踏んづけて転びそうになっただろ。
あの時オレはおまえの体を正面から受け止めたんだぞ。
さらしを巻いて胸のふくらみを隠しているんだろうが、
ああなったらおまえの体のやわらかさは隠し切れん」

「……そういえば……」
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