土方歳三の熱情
「うーん、隊長でも古株の永倉とか斎藤とかよりは下かなぁ、
まぁそのあたりは役職で決まってるわけじゃなくて、なんとなく決まってるんだ。
古株だったり年上だったり剣の腕が立つからってことだったりで、
なんとなくあの人には逆らえねぇなぁみたいな感じで」

「はぁ、なるほど。
暗黙の了解みたいなものが分かるまでちょっと大変そうですね」

「で、ここが食堂だ。メシは充実してる、
寺の敷地内だけど魚も食えるし獣の肉が出ることもある。
肉は食ったことあるか?」

「いえ、まだありません。」

その時わたしの足元で小さな何かが動いた。

「きゃあーーー!!」

島田さんは驚いて私を見る。

「なんだ!? どうした!?」

「ゴキ、ゴキ、ゴキブリ!!」

「ゴキブリ?? ゴキブリがどうした?」

「ゴキブリがいる!」

「ゴキブリがいるが、それがどうした?」

「嫌いなんです! ゴキブリが!」

「……なんで?」
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