またいつか
「僕、大きくなったら蓮と結婚する!」
「いや、俺がする!」
「僕がするのー!」
「俺がする!」

懐かしい、いつの頃だろう。
ずっと一緒で私を二人でとりあっていつも困ってたっけ。

「じゃあ二人と結婚するのは?」
「それじゃあダメなの!」

零はいつも私を困らせることを言ってきた。
どうにか落ち着かせようと言った言葉もすぐ否定して。
でもそれも可愛くて零は弟みたいな存在だった。

「俺はそれでもいいけど?」
「光は大人だねー」

光はなんだかんだ言って最後は私が言ったことに賛成してくれる。
でも零は私が光を褒めることをよしとしなくて

「なんで僕は褒めてくれないの!」
「僕だってそれでいいし!」

って、光のまねをして背伸びをする。
そうしていつもことは丸く収まるのだ。

光はいつも自分の気持ちは後回しにして私や零のことを考えて行動してくれる。
そんな光が私は大好きだった。

「いつまでも一緒にいよーね!」

零が無邪気に笑って言う。
私も光も「うん!」と返す。

遠い、遠い思い出。
三人で手を繋いで毎日一緒に遊んでいた子どもの頃の話。
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