孤高に笑う女

「えぇ、雪紀も来る?
それか、希望する入れて欲しいデザインとかある?」

母上はそう尋ねるがわらわが言ってもそれを取り入れてくれるか…

なにより、母上が違う物を言えば店主が母上の方を採用するに決まってる

それに、わらわが要望するものは一つだが母上もそれを望むだろう

だからわらわはその想いを胸の奥へ…

「いえ、何もございません
母上の希望するデザインを儀式で着たいです」

「そう、分かったわ
すぐに終わらせるからちょっとお店の中で待っててね」

母上は満足そうな顔で店の奥へ行った

……さて、暇になってしまった

店内を見て回るのも悪くはないが、ここは着物専門店

わらわの買うなら望むデザインの欲求が出てしまう

だから、店内を回るのは止めよう

「雪紀様、店内を回られないのですか?」

そこへ話しかけてきたのは母上の護衛を頼まれている、赤城 捺輝(なつき)さん

つまり、今度の儀式の赤城家婿候補の父親だ


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