孤高に笑う女
「捺輝さん、母上に付いて居なければダメなのでは?」
わらわの問に垂れた優しい目が細くなり微笑む
「大丈夫ですよ
奥様には茶月が付いてますから」
そういえば陵汰(りょうた)さんも護衛で付いて来られてた
捺輝さんは母上とわらわの両方の護衛で、卒業式の送り迎えも捺輝さんの運転だった
陵汰さんは母上専属の護衛で特別な事が無い限り母上に付く護衛だ
わらわ自信あまり関わりの無い人だった故に忘れてしまっていた
わらわが返答をしないでいると捺輝さんが普通の人では読み取れないであろう、困ったような顔をした
「雪紀様、本当はご希望されるデザインなどがあったのでは?」
その発言を聞き、表情には出さないようにしたが内心核心を突かれて動揺してしまった
すぐに落ち着いたが、18年間多少なりともわらわの護衛に付いていたわけではないなと思い直してしまった
「申し訳ありません
このような事は聞くべきではありませんでした」
捺輝さんはわらわを困らせてしまったと思ったのかすぐに頭を下げた