孤高に笑う女
「いえ、そんな事はないですよ
少なからずわらわは捺輝さんにちゃんと'見て'もらえてるというのが分かっただけでも嬉しいです」
「……はい、私は少なからず雪紀様を見てきました」
わらわの言葉を聞いて複雑そうな表情をしてそう述べた
白銀家だけではなくその6つの家庭も少なからず偏見な目をされて来ただろうから捺輝さんはわかるのだろう
しんみりとした雰囲気になってしまった
わらわが悪いのだが、着物店に行くのもそう何回もない
わらわの欲求が出てしまって困ると、逃げは止めにしてわらわの見たいものを見ることにしよう
「捺輝さん、黄色の着物を持って来てはもらえませんか?」
「かしこまりました」
捺輝さんはわらわの願いを叶えるべく店員に黄色の着物を持って来るように手配している
その光景を見ていると胸の奥で何か広がっていく感覚がした
それは着実にわらわに憑いてる妖狐に近づいている感覚だとはまだ分かる訳がない