孤高に笑う女

母上がここまで考えてくれたデザインなら、わらわが望むものもないだろう

母上につられて自然とわらわも楽しみになってきてしまった

「分かりました
母上、時間も良い時間になっていますしそろそろお帰りにはなりませんか?」

着物店に来てからいつの間にか4時間程経っていた様でそろそろ6時をむかえるところだ

流石に父上もそわそわしだす頃だろう

「あら、本当…
長居してしまったようね
陵汰さん車お願いね」

「かしこまりました」

陵汰さんはすぐに店内から出て行き車を取りに行った

母上が陵汰さんをさん付けするのは歳が母上より陵汰さんの方が上だからそう読んでいる

母上からしたら敬語も使いたいと思っているのだろうけど、白銀家当主の嫁としてそれは許されない

だから、呼ぶ時だけでもとさん付けをしているのだろう

「雪紀、儀式の前日にはエステにも行くからね?」

「…分かりました」

儀式を行う日までにやる事がまだあるらしく気が遠くなりそうだった…


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