孤高に笑う女
その感覚に浸っていると、声を掛けられた
「雪紀さん、お久しぶりです
美しくなられましたね」
声を掛けてきた相手は、御琴家婿候補の御琴 聖人(まさと)と後に御琴家現当主の御琴 聖幸(まさよし)さんが居た
「聖人、お久しぶりね
聖人も美しいですよ」
わらわの言葉通り、聖人の顔立ちは美しい
切れ長の目に高い鼻、白い肌と人形の様だ
身長は180ぐらいで父上とあまり変わらない様に感じる
普通の人であれば近寄り難いと感じ、遠目に見る事しかできまい
「そおでしょうか?
雪紀さんには敵いませんよ」
19とは思えぬ自分の美しさに気づいていないのだろうか?
それとも天然か?
少し嫌味にも聞こえてしまうぞ…
「聖人さんにそう言ってもらえて嬉しいわ
そろそろ行きますね」
「分かりました
それではまた…」
聖人さんの人形感はわらわでも話すのは躊躇われるな
「雪紀さん、お久しぶりですね
相変わらず綺麗ですね」