孤高に笑う女

父上はその明るさを欲して母上の様な明るい人を選んだのだろうか…

それは父上にしか分かりえぬものか

わらわも陵の様に明るさがあれば良かったのだろうが、今はその優しさに心が痛む…

痛む胸を分からぬ様手で抑え、次に舞う灰崎家婿候補の灰崎 海月が舞台中央で構えるのを見た

〜♪

久しく見た貴女の顔
昔より大人びて
誘惑するかの如く
その口元妖艶に弧を描き
貴女の手を握りたい

少し恥ずかしく感じるが、居心地はどちらかと言えば良い

しかし、海月の舞はそちらの方が誘惑する様に踊っている様に思えた

いつの間にか胸の痛みも和らいでいた

お次は赤城家婿候補の赤城 陽輝が中央へ緊張しているのかその歩みはぎこちない

しかし、深呼吸をして構えるとスイッチが入ったのか顔つきが変わる

〜♪

貴女は幼く可愛らしいと言うけれど
貴女の笑みは比べられない
それ程貴女は可愛らしい
貴女を守れる強さを持ち
貴女に見合う男に…

クスクス

歌と舞に笑ったわけではないが、陽輝が踊り終わった後の赤面を見てしまっては笑みが出てしまっても仕方あるまい


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