孤高に笑う女

本当に可愛らしく、こちらが守りたくなってしまうな

ホッコリした気分になり気持ちは温かくなる

さて、お次は最後の黒峰家婿候補の黒峰 天夜が舞台中央で構えた

それだけなのにわらわの体が疼く

〜♪

周りを見ずに何を信じよう?
貴女は臆病な狐なのに
それを隠し本当の姿を見せてはくれぬ
殻を剥いで出てみて見よ
臆するものなど貴女にはないだろう?

踊り終わる時にわらわと目が合った

ドクン

脈が乱れ始める

天夜が舞台を降りるのが分からないほどに天夜が居た場所を見つめ放心していた

それと同時に奥から何かがせり上がってくる…

「雪紀、舞が終わったから退出するわよ」

「……。」

天夜、貴方はどこまで見えている…

「雪紀?
雪紀!退出するわよ!」

「ビクッ
え、あ、はい」

母上の声が聞こえないとは重症だ

それほどわらわにとって天夜に惹かれるモノがあったのかも知れぬ

「大丈夫かしら?」

そんな母上の心配の言葉も聞こえぬぐらい天夜で頭が埋まっていた


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