孤高に笑う女

実際、わらわは千里眼と神通力(じんつうりき)を多少扱える

しかし、千里眼は占いの時に使うが神通力はまだ使ったことはない

否、使わない様にしていると言った方がただしいか

幼い頃、妖狐の力が強く出ているわらわはその時既に千里眼を自然と使っていた

そして、父上に理由は覚えてないが苛立ちを覚えた時があり神通力も使える事を千里眼で見て、気持ちのまま使ってしまった後の未来を見た

その時、幼いながらも自分の力の強さに恐れた

それから、自分の気持ちを、自分自身を表に出すのが怖くなり殻にこもった

それからはひたすらに仮面を被り、文字通り化け狐になっていた

しかし、天夜はそれを見抜き殻の中から出るきっかけをくれた

その様な男に惚れぬ奴は居ない

だが、天夜と出会えたのも妖狐のおかげか…

わらわも充分醜いな…

わらわ達一族の先祖に感謝する、妖に憑かれた事をな?

わらわを見上げ並ぶ穢れた人間達を見下げながらそんな事を思っていた……


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