孤高に笑う女
「はい、やっと終われたと思って清々しい気分です」
「またそんな事言って、この子ったら」
わらわの答えに不満だったのか母上こと白銀 優和(しろがね ゆか)が困った様に左頬に左手を添えて眉根を下げた
母上は白銀家に嫁がれた女性で、嫁(婿)にする家庭は昔から決まっていて妖狐に忠誠を誓っていた妖が憑いてる
その内の一つ、紫羽家(しばけ)は犬の犬神が憑いてる
母上もまたその影響が少し出ていてまん丸のタレ目に高いとは言えない鼻、ぷっくりした唇と可愛らしい容姿だ
髪は茶髪でウェーブがかっている
身長は165と少し高くスラリと伸びた手足はスタイルの良さを物語っていた
そんな母上の性格はせっかちと言うのがしっくりくるだろう
「まぁ、良い
今日はゆっくり休むといい」
父上の言葉で母上に対しての反論を述べようと思ったが押しとどまった
しかし、父上の言葉はそれで終わりではなく
「だが雪紀、そろそろお前の婿養子を決めなくてはならぬな」
と、言い出した
「……急に言われても困ります」
あまりにも唐突な事に言葉を詰まらせてしまった