孤高に笑う女

『俺、お母様に何かしましたか?
何をしたのか心当たりがないのです』

『それはもうじき来るお父様に聞きなさい
私達も細かくは聞かされてないの』

『分かりました』

その後、沈黙が10分ぐらい経っただろうか

体感的には何時間も経った様な気分だったが、そこでようやくお父様が到着した

『星海、お母さんはどんな感じなんだ?』

いつも仏頂面のお父様が不安げな顔でお母様の顔を覗き見ながら問う

『先生から後、1ヶ月ももたないと言われました…』

上の姉からその言葉を聞くとお父様は悲しみ・怒り・絶望・後悔など色々と複雑な表情をしていた

その時ポロリとお父様の口から言葉がこぼれ落ちる

『……こんな事になるなら婿候補を産む必要はなかった』

……俺がそういう理由で生まれてきて、俺の存在を否定された

もぅ、どうでもいい…

ただ1つ知りたい母の体調が悪くなった俺の原因を

『お父様、それでお母様が体調を崩された原因ってなんですか…?』


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