孤高に笑う女

『……我々黒峰家は猫神様が憑いてる故に他とは違う力が何かしらある
その力を妖力と代々言っているが天夜はその妖力が強く、産まれる前から影響が出ていた
それはお母さんの生気を吸収する事だった』

……本当に俺が母の生気を?

俺が胎児の時から母を弱らせていた事に驚きそれ程までに妖力がでかい事を知り、初めて自分が恐ろしく感じた

『だから、中絶しようとしたがお母さんは天夜を産むと聞かずお前が産まれた
その後は天夜が出たからか症状がそれ以上悪くなることはなく、体調を整えていく事をしていた。実際に少しづつではあったが症状は軽くなっていた
だが、天夜が生まれて6年経った頃お母さんがまた体調を崩すようになった』

もぅ、訳が分からない

俺の力は生気を取ること、小学生になって母のお見舞いに行く回数は減ったから良くなるはずなのに逆に悪くなった…

近づいたら生気を取り弱くする

遠ざかっても弱らせるなんて、俺は呪われているとしか思えない

『そしてお母さん、星海は…実際に今日倒れた』

病室に静寂が流れる

母に繋がっている心電図の音が嫌に大きく聞こえる


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