孤高に笑う女

女の子が入って行った建物を見ようと周りをよく見ると、そこは木の塀に囲まれた屋敷だった

その塀はどこまでも続いているかのように横長く、終わりを知らないように見えた

すると女の子が入って行った所からスーツを着た男の人が傘を2つ持って出てきてこっちに来ている

年齢はお父様より若くみえる

その人が俺の目の前まで来て少し屈んで目線を合わせるような体制になる

「君、ここで何をしているんだい?」

そう言いながらさしていない傘を俺に渡す

「…」

俺は何も言わず、差し出された傘をじっと見つめた

俺が何か言うわけでもなく傘を握ることもしないからか目の前の人はため息を一つつき困った様な表情をする

「困ったなぁ、今日黒峰居ないから忙しいんだけど…」

俺に聞こえないように言ったのだろうが俺の耳にはその言葉が耳に入った

その一言でこの人が誰なのかそれとなく分かった

今度ある白銀家の御子息の10歳になる誕生会がある白銀家の付き人か何かだと思われる

ってことは、このとてもでかい塀で囲われたこの屋敷は白銀家…


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