孤高に笑う女
俺がここに居たとお父様にバレでもしたらなんと言われるか…
その前に言われることが他にあるだろうけど
目の前に居る人に返事を返さずにヨロヨロと歩き始めた
後ろで呼びかけている気がしたが今はそれどころではない
帰るのが憂鬱だな…
そんな事を思っても、俺の帰る場所は決まっていて足は無意識にその道を歩いていた
白銀家は有名で家自体も大きいから俺が居る場所が分かって自分の家までの道が分かったのはいいが、お父様以外に姉さん達からも小言を言われるかもしれない
分からないことを考えていても仕方が無い
これからはお父様の言う事は聞こう
それがせめてもの償いになるなら…
俺はそれから家に帰り予想通り姉からは怒鳴るだけ怒鳴られ、その後は口も聞いてくれなくなった
お父様からも叱られるかと思ったがそんなことなくて、逆に頭を撫でられた
なんで頭を撫でられたのかは分からなかったがお父様から今まで撫でられた記憶はない
ただそれだけなのに、嬉しくもあり泣きたくもなった
お父様の顔を見てないからどんな表情をしていたのかは分からない
だけど、その撫でる手はとても温かく優しかったのは覚えてる