孤高に笑う女
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「だから、雪紀からの誘いには断ってたんだ
すまない…」
下を向いている俺は雪紀が今どんな顔をしているのか怖くて見れないでいる
どんな言葉を投げられるのか怖い…
雪紀よりも2つ年上だというのに情けなく小さくなっている自分が恥ずかしい
そんなことを思っていると両頬に手を添えて上を向かされた
すると目の前に泣きそうな顔をしている雪紀の顔があった
っ、
俺を選んだ事を後悔しているんだろうか…
そんな嫌な事ばかり想像してしまう
「わらわの目を見よ」
いつの間にか視線だけ逸らしていたことに気づき改めて雪紀の目を見た
吸い込まれそうになる色素の薄い金色の目
その目が俺を捉えている
雪紀を独占しているという優越感に浸りそうになる
「よくぞ話してくれた
そのような辛い過去を持っていたのだな
さぞかし辛く寂しく耐え難い事だっただろう」
その言葉は同情であろうとなかろうと俺の心にはしみる言葉だった
いや、雪紀から発せられた言葉なら何であろうと心に響くものになるのだろう