孤高に笑う女
「だが、もうこれからはその様な思いはさせまい
天夜にはわらわが居るだろう?
わらわは其方達を率いる者ぞ?
其方の力に負けるわらわではない
存分にわらわに甘えても良いのだ」
そう言って俺を抱きしめた
それは、母親が子を甘やかす様に顔を胸に埋めて頭を優しく撫でる
俺は恐る恐る雪紀の背中に腕を回して今まで溜めていた、不安な気持ちや孤独で寂しかった気持ちが溢れ出し、子供のように雪紀の胸の中で枯れるのを知らぬ様に泣いた
その間雪紀はずっと頭を優しく撫でてくれて「天夜、よう頑張ったの」と言ってくれた
どのぐらい泣き続けたのか分からないが泣き過ぎて疲れてしまった
今、俺の顔はとてもぐちゃぐちゃでブサイクに違いない
「落ち着いたか?」
雪紀の優しい声掛けに反応するも顔を見られたくなくて俯いて頷いた
こんな恥ずかしい所を見られて今更だがこれ以上雪紀に格好悪い所を見られたくない
「どうしたのだ?
顔を上げてはくれぬか?」
「涙で顔がぐちゃぐちゃになってるから見せたくない」