孤高に笑う女
小さくわらわの近くで言った天夜は、わらわを独占したいという気持ちを感じさせ嬉しさがこみ上がってくる
「そうだな、わらわも天夜以外に見せたくはない」
天夜を抱きしめて胸に顔を埋める
天夜の匂いがして心が安らぐのを感じたところで離れる
「そろそろ痺れを切らして海月に入ってこられても困るから出るとするか?」
先に服を着終わったわらわの背後で悶絶する天夜を見てしてやったりの顔をして寝室を出た
襖を開けると予想通りの海月が立っており、部屋の中で慌てて服を着ている天夜を見て苦笑を浮かべている
そんな表情の海月も色気が出ているなと思ってしまったが、昨晩の天夜には程遠いと思う様になってしまったのだから重症だ
昨日話し合った事で天夜との距離も縮めれて嬉しいばかりだが、一度琉夜さんと話をしたい
すぐにでも天夜の姉達に殴り込みに行きたい所だが、まずは確かめなければなるまい
今日の仕事をすぐに終わらせて父上達の居る離にでも行くとするか…
「天夜を弄るのもいいですが、仕事に遅れてしまいますよ?」
ふと、仕事終わってからの事を考えていると、寝室の前に居た海月がいつの間にかわらわの後ろに居た
わらわが出てすぐに後ろを着いて歩いていたのか、慌てて来たようではなかった
……、後ろに居たことに気づけなかった
わらわの護衛をするに身として海月もそれなりに訓練されたのだろうが、わらわ自身も自分の身を護れるように多少なりとも訓練はされてある
それなのに気づけなかったのは単に海月の気配を消すのが上手いのか、はたまたわらわが天夜の事で周りが厳かになっていたのか…
どちらにせよ外でこのような事があっては困る
気をつけておかねばならないな
「天夜の反応が可愛いのでなつい弄りたくなるのだ
それより、今日の仕事は少し早く終わらせたい
父上の離に行く用ができてな、天夜には内緒で行きたい」
「了解しました
こちらで調整しておきます」
全てを言わなくてもすぐに理解してくれる優秀な護衛兼助手だな
まぁ、今日は話を聞きに行くと言うより段取りをしに行くと言うところだな