残念なイケメン、今日も我が道をゆく
「すまんな、潮水の教育係は誰だった?」


今年入社の新人、潮水春華は今どきの若くてやる気無い感じの女の子だ。
その話し方や態度については、私も目に余る際にはやんわりとだが注意していた。
しかし、彼女には馬耳東風。
まったく届いてない感じがしていた。
由美も、この感じに手を焼いていた。
仕事のミスも多いとこぼしていたから。


「彼女の教育係には近藤を当てていましたが、何かありましたか?」


聞きながらも、嫌な予感しかしていない中で


「発注ミスだ。今日欲しい在庫が発注ミスで届かない。先方に謝罪しつつ在庫を大至急で手配してるところだ」


そうため息混じりに言われた。


「しかも、やらかした本人に連絡したら。えー、そんな事言われてもー。じゃあもう辞めます。で出社拒否だ」


それはそれは呆れた様に言う部長の言葉に、私も思わずため息をこぼす。


「確かに、彼女はやる気も無くて、仕事もミスが多いと近藤から聞いてはいました。近藤も気にかけていたんですが・・・」


そう告げると


「この発注の締め日は先週の木曜だ。近藤が有給使った日だろう?チェックが抜けたという事だと思う」




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