残念なイケメン、今日も我が道をゆく
ドキッ!何が起きてるの!?
発注ミスの数日後。


どうにもしっくりこない。


何故かって?


あの残念なイケメンと呼ばれた御堂くんのお決まりの光景、ナルシスト発言がすっかり聞かなくなったから。


いったい何が起きたのか?


みんな、声に出さないまでも見守っているのが今の営業部内の状態。


「たった三日、されど三日。残念な発言が無いだけで、すっかり奴はただのイケメン扱いされるなんて・・・。若い子達の考えが分からないわ」


そう呟く由美に、その隣のゆかりちゃんも


「あの残念な数々の名言?迷言?を聞いてきたはずなのに、新入社員の御堂さんへの態度の切り替えの速さにはビックリです!私ならいわなくなっただけでしょ?で範疇外です」


と鼻息の荒さを隠さない。
ゆかりちゃんはイケメン好きなはずなのに。


「まぁ、脱力感やらを与えられず集中力が途切れなくなったのはありがたいわ。たまにイケメンなのに残念過ぎてコントでも見てる気分にさせられたもの」


と言えば


「確かに、そんな感じだったわ」


「美古都さん、やっぱり言い方が的を射てますね!」


そんな返しをもらった。


「江崎さん、この見積書の作成急ぎでお願いできませんか?」

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