残念なイケメン、今日も我が道をゆく
この状況でクスッと笑うと


「俺、作ってたものとっぱらってかないと、江崎さんにはアタック出来ないと思いまして」


そう言うと、グッとその綺麗な顔を近づけて


「好きな人が出来たなら、女避けの擬態は要りません。俺は、この人ってなったらひたすら追い掛けますから。それで今週末のご予定は?」


そう、爽やかに聞いてくる。
しかし、ここは勤務中の社内。
営業部内の人間は半数以上は外回りで居ないけれど、内勤は揃ってる。
それは皆女子社員、そうなれば・・・


「ちょ、主任!口説かれてます!口説かれてますよ!」


「え?残念は女よけの演技ってこと?!」


「あー、でもこの感じだと主任にしか目がない感じだわ」


「えぇ!主任ずるいです!イケメンに誘われるとか美味しいです!」


等の言葉が飛び交っていく。


「うぉ!御堂は江崎さんにアタックか。イケメンは目の付け所が違うな」


「あんだけ、残念な発言を突っ込まれてたのにチャレンジャーだな」


「まぁ、あの擬態は男には分かってたけどなぁ。モテるやつってのも苦労があるんだろうな」


等など、残ってた男性陣にも色々言われて


「みんな、仕事しろ!!」


一喝する事態に陥った。
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