残念なイケメン、今日も我が道をゆく
「じゃあ、とりあえず今日はランチに行きましょう!ね?」


そう人の顔を覗きながら、念を押すようにバッチリの笑顔を向けられる


「今日は、私は社食よ!行かない!」


「別に社食でも構いませんよ?俺はどこでも遠慮なしに話せますし」


サラッと御堂は自然体で堂々と言う。
くっ、このイケメンは自分の使い方を分かってる。
社内中に見られて良いのか?と問うているのだ。
しかも、本人はそれでも構わないと思ってるのでこの事態だ。
元々頭の良いタイプ。
すごく面倒で、厄介だ。


「ランチ、付き合えばいいんでしょ?!」


もはや、破れかぶれのやけっぱちの返事は可愛さの欠けらも無い。
それでも、その返事に一瞬だけホッとした表情をしたあとに


「えぇ、とりあえずランチに付き合って下さいね?楽しみにしてます!では、午前中の外回りに行きますね」


そう爽やかに、颯爽と歩いて行く御堂。
その背中はいつものように姿勢はいいが、なにやら少し嬉しそう?


とりあえず、ランチに出るなら昼休憩にしっかり入れるようにしなければと、溜息をつきながら仕事を再開した。


とどまらない会話には、今度は部長が喝を入れてくれた。


そうして、波乱のイケメンとの攻防戦が始まったのだった。
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