残念なイケメン、今日も我が道をゆく
そんな感じで我が社の有名イケメンがいる営業部は、そこそこに社内では話題になるのだが、仕事の鬼の腹黒インテリ系の残念なイケメン。


そして、残念なイケメンの本命は、仕事の出来る本気の美形イケメン。
但し、残念なイケメン、超ナルシスト。
という異色のイケメンが居るからというのが、話題になる真相である。


そう彼ら、黙ってれば普通にイケメン。
喋ると残念なイケメンと囁かれているのだった。


資料室から営業部戻る道で見かけた、窓ガラスに浮かぶ自分にご機嫌な残念イケメンに脱力させられたが、仕方なしに声を掛ける。


「御堂、あんたこんな所で何してるの。さっさと仕事なさい!」


そう声を掛けて横を通り過ぎると


「あ、江崎主任。この間の経費書類の処理ありがとうございます。助かりました」


にこやかな笑顔で返す、その顔は正しくイケメン。
正統派のイケメン。


「いいえ、仕事ですから。でもあんなに山のように溜め込むのは、いい加減やめて頂きたいわね?」


嫌味を込めて、つい眉間に皺を寄せつつ言うと


「すみませんでした。先週は外回りが多くて。つい溜め込んでしまい、事務方に負担かけて申し訳無かったです。次からはこまめに出すので」


どうやら反省しているようなので


「今度から私のデスクの未処理ケースに入れてくれれば処理します。いつまでか記載と捺印かサインを入れたの付箋だけ、付けるの忘れないで下さいね」
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