-♡- 特別なクリスマスを君へ -♡-
実side



「思い出した!!そんなことあったね!」

「皆忘れてるけど俺最初から出来た人間じゃないっすよ…」


しんみりとした声で呟く真宮くん。


そんな真宮くんの表情は、どこか寂しげに見える。


「真宮くん…」


顔立ちが整ってるからか、真宮くんって常に完璧に見えるけど…


本当は皆と同じなのよね、きっと。


思い出せば、入社したばかりの真宮くんって今と全然違うもん。


追いつこうとただただ必死に見えた。


だから、つい。


背中を押してあげたくなったのかも。


「すっかり立派な社会人に成長したね。真宮くん!」


もう私が言うこと何もないよ。


あの頃の真宮くんが、ちょっと寂しいけど。



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